不況の影響や雇用形態の多様化によって、労働問題に関するトラブルが増える一方です。不当解雇や残業代の不払い、採用内定の取消など、トラブルの内容はさまざまです。では、労働者と経営者の間においてトラブルが発生した場合、どのように解決すればよいのでしょうか?
労働者と経営者では明らかに労働者の立場が弱く、泣き寝入りにもなりかねません。また、裁判に至ったとしても多額な費用が掛かるうえ、長い時間がかかります。そこで、裁判によらないで費用も時間もかけずにトラブルを解決するADR(裁判外紛争解決手続)と呼ばれる制度が平成19年4月よりスタートしました。
この制度において特定社会保険労務士は代理人として個別労働関係紛争解決に関する手続きを行うことができるのです。このADRは当事者が直接行うことができますが、特定社会保険労務士に依頼することで、より迅速な解決が期待できるといえます。
特定社会保険労務士が行う紛争解決代理業務には次のようなものがあります。
・個別労働関係紛争について社労士会労働紛争解決センターが行う裁判外紛争解決手続の代理(紛争価額が60万円を超える事件は弁護士の共同受任が必要)
・個別労働関係紛争解決促進法に基づき都道府県労働局が行うあっせんの手続の代理
・男女雇用機会均等法に基づき都道府県労働局が行う調停の手続の代理
・個別労働関係紛争について都道府県労働委員会が行うあっせんの手続の代理
これらの代理業務には、依頼者の紛争の相手方との和解のための交渉及び和解契約の終結の代理が含まれています。
社会保険労務士が、この特定社会保険労務士になるには、「厚生労働大臣が定める研修を修了」したうえで、「紛争解決手続代理業務試験」に合格し、全国社会保険労務士会連合会に備える社会保険労務士名簿にその旨を付記しなければなりません。 この「紛争解決手続代理業務試験」の試験内容は論述式で、高度な専門知識が必要とされます。ちなみに、第3回の受験者数は2,629人で、合格者数は1,912人(合格率72.73%)です。
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